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人は何故、自分の「常識」を基準に他者を排除してしまうのだろうか?学校や職場、SNSにおける「排他的態度」とは?

現代社会では、学校や職場、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのさまざまな場面で、排他的態度(exclusionary attitude)が見られるようになっている。

これとは、ある人々が「自分が常識的である」という立場や価値観を絶対視し、それに合わない他者をその常識(common sense)から排除する行動を指す。

これは、自己正当化(self-justification)による差別的態度とも言い換えられる。このような考え方は、特に社会的属性(social attributes)や文化的背景(cultural background)を基にして他者を評価し、排除する動きとなることが多い。

排他的態度の特徴とその背景

「排他的態度」とは、ある人々が自分の文化や価値観を常識的(common)とし、それに合わない人々を非常識(uncivilized)だと見なして排除する行動である。

特に、SNS上で見られるのは、自己の意見や価値観が最も正しいと感じているユーザーが、異なる意見を持つ他者を攻撃したり、無視したりするケースだ。

例えば、SNSで政治的に異なる立場を持つ人々を「非常識」と見なして排除する動きがしばしば見られる。このような排除行為は、単なる意見の不一致にとどまらず、相手を社会的に排除(exclusion)することに繋がりやすい。

Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)などのSNSプラットフォームでは、ユーザー同士が自身の価値観を強調し、他者を排除することがしばしば行われている。

選民意識と排他的ナショナリズム

このような態度が進むと、選民意識(elitism)や排他的ナショナリズム(exclusive nationalism)に繋がることがある。

選民意識とは、自分が所属する集団や価値観が他のすべての集団や価値観より優れていると考える態度であり、排他的ナショナリズムは、自国や特定の国民を他国の人々よりも優れた存在だと見なす考え方だ。

例えば、日本における外国人排斥運動(xenophobia)や、移民受け入れ反対の声が高まっている背景にも、こうした選民意識や排他的ナショナリズムがある。

日本(Japan)では、特に外国人労働者(foreign workers)や難民(refugees)の受け入れに対する反対運動があり、「日本人」というアイデンティティが強調され、他の文化や価値観を排除する動きが強まっている。

海外でも、アメリカのトランプ大統領(Donald Trump)による「アメリカファースト」政策や、イギリス(United Kingdom)のブレグジット(Brexit)運動などが例として挙げられる。

これらの事例では、他国の文化や価値観を排除し、自己の国家や文化を優位に立たせようという意識が強く表れている。

文化的優越主義と社会的スティグマ

こうした排除の態度は、文化的優越主義(cultural superiority)や社会的スティグマ(social stigma)とも深く関連している。

文化的優越主義とは、自分が所属する文化が他の文化よりも優れていると考える考え方であり、社会的スティグマは、あるグループに属することが社会的に不利であるとされる社会的ラベルや偏見である。

例えば、アメリカ(America)では、人種差別(racism)や性差別(sexism)が根強く存在し、これらが文化的優越主義や社会的スティグマを助長することがある。

特定の人種や性別が社会的に低く見積もられ、教育(education)や就職(employment)などの機会において不平等が生じることがある。

また、日本においても、性別(gender)や年齢(age)、出身地(region)に基づく偏見が存在し、特定の価値観に合わない人々を排除する傾向が見られる。例えば、地方出身者女性若年層に対する社会的なスティグマは根強い。

排除の行動が生まれやすい人の特徴

では、このような排除の態度を持ちやすい人々にはどのような特徴があるのだろうか。まず、自己中心的な価値観(self-centered values)や、他者の立場を理解しようとしない姿勢を持っている人が多いと言える。

心理学的には、自己を他者よりも優れた存在だと認識することにより、他者を排除することが容易になるとされている

。例えば、自分の育った環境や文化が最も正しいと感じている人は、異なるバックグラウンドを持つ人々を異質(alien)だと感じ、排除しようとする傾向が強い。

さらに、社会的圧力(social pressure)を受けて、集団の規範に従うことで「自分が正しい」と確信し、その集団外の人々を排除する態度を取ることが多い。

SNSなどのオンラインの世界では、こうした集団意識が加速し、簡単に排除の行動に繋がる。

まとめ

学校や職場、SNSなどの社会的な場面で見られる「排他的態度」は、自己正当化による差別的態度や選民意識、文化的優越主義と深く関わっている。

このような態度を持ちやすい人々は、自己中心的な価値観や社会的圧力に影響され、異なる価値観を排除しようとする傾向が強い。これにより、社会的スティグマ人種差別性差別などが強まる危険性がある。

このような問題を解決するためには、まず他者の立場や価値観を理解し、排除ではなく受け入れの態度を持つことが重要だ。

特にSNSやインターネット上では、匿名性があるため排除的な言動が助長されがちだが、リアルな社会と同じように、他者を尊重し合う姿勢を持つことが求められる。


用語解説

  • 自己正当化(Self-justification): 自分の行動や考え方が正しいと信じること。自分の態度を正当化するために他者を否定することが多い。
  • 選民意識(Elitism): 自分が属する集団や価値観が他よりも優れていると考える意識。
  • 文化的優越主義(Cultural superiority): 自分の文化が他の文化よりも優れているとする考え方。

社会

Posted by AKIRA