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ファンを形成する意義 -既存のシェアの奪い合いから新しい価値の創造へ-

2024.11.15

自らの信念や見解に賛同し、共感を示す人々を身近に持つことは、重要になってる。ビジネスマーケティング用語ではファンマーケティングと言われるが、ビジネスにとどまらない。

あなたが音楽家であればファン、ビジネスマンであれば賛同者、ユーチューバーであれば登録者、SNSインフルエンサーの場合であればフォロワーという。それぞれ名前は違えど、根本的には同じである。

現代は、同世代でも職業や同じ居住エリアに属していたとしても、大きく価値観や考え方が異なる多様性社会である。

自らの意見を率直に発信し続けることは、同じ意見を持つ受けてにとって大きな意義を持つのである。

あなたが属するコミュニティがマイノリティ(少数派)であればあるほど、発信される意見は多くの人にとって価値をもたらす。

積極的な発信が続けられると、自然と周りに共感を覚える人々が集まり、その結果、コミュニティが形成される。これは全ての業界において同じである。

ニッチな商売をしていたとしても、マニアックな趣味のブログを書いていたとしても、共感してくれる人は必ずいる。

アーティストは、現代社会を映し出す鏡のような役割を果たしている。アーティストが発信する情報に共感し、彼らの作品に触れることで、ファンは精神的な絆を感じることができる。

この相互の関係は、新たな価値観や意見を生み出し、現代社会において非常に貴重である。少数派の声なき声を代弁して社会に放つことができるからだ。

ファンとアーティストの間に生まれるこのような絆は、単なるファンダムだけでなく、共感や理解の深化に繋がり、互いに豊かな精神的なつながりをもたらす。つまり、それこそが新しい価値が生まれる瞬間なのだ。

基本的に、ビジネスとはシェアの奪い合いである。たとえば、あなたがある求人に応募し、採用されたとしよう。あなたが採用されたことで誰かが採用されなかったのだ。あなたがもし、競合ひしめく業界で新商品をリリースした場合、あなたは、お客さんの財布の中から、お金を引き出すことに成功したかもしれないが、他の誰かが引き出すことに成功できなかったと言える。

それに対して、新しい価値を創造するということは、既存の市場においてシェアを奪い合うことはない。日本経済が低迷している根本的な理由はここにあるのではないだろうか?

「てやんでい、何を偉そうに知ったかぶりしやがって」という声が聞こえてきそうである。しかし筆者は頻繁にロサンゼルスに赴き、日本とアメリカの発展スタイルの違いというものを嫌というほど目にしてきたから言えるのである。

例えば、アメリカでは嗜好品としての大麻が解禁され、今ではワイン業界を凌ぐほどの巨大産業となった。それに対して、日本はどうだろうか?

また、ライドシェア大手Uberは既にアメリカでは一般化しているにも関わらず、日本ではタクシー業界の反発もあってか、解禁に踏み切るまでにかなりのタイムラグがあった。筆者がはじめてUberを利用したのが2018年ごろだったので、あれから6年以上のタイムラグがあってようやく普及する一歩手前となったわけである。

日本ではイノベーションという言葉だけが輸入されて巷でもてはやされてはいるが、果たしてそれは本当にイノベーションなのかどうか疑問である。